ブルーインパルスの技って、どれくらい種類があるのかご存じですか?
実は天候や会場によって演目が変わる仕組みになっていて、「同じブルーインパルス」でも毎回違う魅力を楽しめるんです。
この記事では、ブルーインパルスが披露する全演目を「曲技飛行」「編隊連携機動飛行」「航過飛行」の3つに分けて、種類・難易度・見どころをまとめました。
フルショーで見られる大迫力の技から、天候が悪くても実施されるフォーメーション飛行まで、どんな状況でも楽しめるように網羅しています。
これから航空祭やイベントでブルーインパルスを見る方にとって、必携のガイドです。
ブルーインパルスの展示飛行とは?種類をわかりやすく解説

ブルーインパルスの展示飛行は、実は一種類だけではありません。
空を自由自在に飛びまわる印象がありますが、気象条件や会場の場所によって、披露される技の内容が大きく変わります。
展示飛行は大きく3種類ある
ブルーインパルスの展示飛行は、大きく次の3つに分けられます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 曲技飛行(アクロバット) | 空中で宙返りやハートを描く華やかな飛行 |
| 編隊連携機動飛行 | 水平移動や描き物課目を中心とした飛行 |
| 航過飛行(フライバイ) | フォーメーションを組んで低空を通過する飛行 |
それぞれの飛行スタイルには異なる魅力があり、どれが実施されるかは当日の天候や会場の状況によって変わります。
「曲技飛行」ってどんなもの?
いわゆる“ブルーインパルスらしい飛行”といえば、この曲技飛行です。
宙返りやスモークでのハート描写など、観客の目を惹きつけるダイナミックな演技が特徴です。
会場全体がどよめくような迫力があり、ブルーインパルスの代名詞とも言える飛行スタイルです。
「編隊連携機動飛行」とは?
編隊連携機動飛行は、航空祭以外のイベントや、飛行場ではない場所で行われる飛行形式です。
曲技飛行のような宙返りは含まれませんが、機体の整った隊形移動やスモークでの描画などが見られます。
低空・狭小空域で行えるため、都市部のイベントなどでも実施可能です。
「航過飛行」って何をするの?
航過飛行は、天候が悪い場合や空域に大きな制限がある場合に披露されます。
複数のフォーメーションを組んだ飛行を連続して行うスタイルで、空中での演技はほとんどありません。
「今日は中止かな…」という天候でも、航過飛行が実施されれば見られる可能性があります。
ブルーインパルスの曲技飛行(第1区分・第2区分)一覧と解説

ブルーインパルスの曲技飛行は、実は天候によって「区分」が分かれています。
最も好条件で行われる「第1区分」では、すべての課目が披露されるフルショーになります。
実施される気象条件と区分の違い
曲技飛行の可否は、主に「シーリング(雲の高さ)」と「視程(水平視界)」によって決まります。
| 区分 | シーリング | 主な条件 |
|---|---|---|
| 第1区分 | 10,000フィート以上 | 快晴に近い天候、フルショーが可能 |
| 第2区分 | 7,000フィート以上 | 曇りでもある程度の演技が可能 |
それ以下になると第3・第4区分、または編隊飛行や航過飛行に切り替わります。
全27演目の特徴と見どころ
第1・第2区分では、ブルーインパルスの技の中でも最も見応えのある27種類の演目が実施されます。
たとえば「インディビジュアル・テイクオフ・ダーティーターン」は、4機が連続して離陸し、見事にダイヤモンド隊形を作るオープニング課目。
「キューピッド」ではハートに矢を射るような演出がされ、カップルや家族連れに大人気です。
この27演目を把握しておくだけで、当日の展示飛行が10倍楽しくなります。
特に難易度が高いとされる技は?
元ブルーインパルスのパイロットによると、次のような課目は特に難易度が高いとされています。
- コーク・スクリュー: 背面飛行中の機体を、もう1機が螺旋状に回り続ける複雑な技
- ファン・ブレーク: 最小1mの間隔で飛行する高度な編隊操作
- フォーシップ・インバート: 複数機で同時に背面飛行を行う、バランス重視の課目
こうした課目は、「頭で考えてできない」レベルの操縦技術が必要だと語られています。
それぞれの技については次章以降でさらに詳しく解説していきます。
天候が悪いときの展示「第3区分・第4区分」では何をする?

ブルーインパルスの飛行展示は天候に大きく左右されます。
第1・第2区分でのフルショーが難しいときには、「第3区分」「第4区分」が適用されます。
第3・第4区分の違いとは
第3・第4区分も曲技飛行に分類されますが、披露できる技の数や内容に制限があります。
主に「雲の高さ(シーリング)」が関係しており、以下のように設定されています。
| 区分 | シーリング | 特徴 |
|---|---|---|
| 第3区分 | 5,000フィート以上 | 24演目実施、やや制限あり |
| 第4区分 | 3,000フィート以上 | さらに内容を簡略化した演目構成 |
このように、可能な限り飛行を行う工夫がされています。
代表的な技と変更される演目
第3・第4区分の演目数は共通で24ですが、演目の内容が一部異なります。
たとえば「キューピッド」は、
- 第3区分では「スラント・キューピッド」
- 第4区分では「オリジナル・レベル・キューピッド」
といった具合に内容が調整されます。
また「タック・クロス」も、より安全性に配慮した「タック・クロスⅡ」へと変更されます。
実際に見られる確率はどのくらい?
気象庁の過去データを参考にすると、第3区分や第4区分が実施される頻度は意外と高いです。
特に春や秋の航空祭では天候が不安定なため、第1区分が見られる確率は約5割程度とされています。
天候が悪くても諦めず、どの区分でも楽しめるよう事前に技を知っておくと安心です。
編隊連携機動飛行で見られる12の技

航空祭以外でもブルーインパルスが飛行する場面があります。
それが「編隊連携機動飛行」と呼ばれるスタイルで、都市部イベントや記念式典などでよく実施されます。
編隊飛行と描き物課目の違い
この飛行形式では、曲技飛行のような大きな宙返りなどは行いません。
代わりに、以下のような技が組み合わされています。
- 水平機動課目: ダイヤモンド隊形でのチェンジ・オーバー・ターンなど
- 描き物課目: スモークでハートやサクラを描く課目
スモークでの美しい描写がメインとなるため、写真映えもバッチリです。
各演目の構成と見どころ
編隊連携機動飛行でよく披露される技は次の通りです。
| 課目 | 内容 |
|---|---|
| デルタ・ダーティ・ローパス | 脚を出した状態での低空飛行 |
| レベル・オープナー | 横一直線からスモークで開花 |
| サクラ | 6機で桜の花を描く人気演目 |
| ナイフ・エッジ | 機体を横に傾けた飛行 |
どれも派手な機動こそないものの、隊形美や正確さが光る内容になっています。
民間イベントや式典での実施例
この飛行スタイルは、都市部で行われるイベントにも対応できる柔軟性があります。
たとえば「東京オリンピック開会式」や「新幹線の開業記念」などでも披露された実績があります。
「航空祭以外でもブルーインパルスが見られる」という点が、編隊連携機動飛行の最大の魅力です。
航過飛行で見られる10種類のフォーメーション

ブルーインパルスの飛行展示が中止になりそうな天候でも、可能性が残るのが「航過飛行」です。
これは演技飛行ではなく、フォーメーションを組んで滑空するスタイルで、シンプルながらも隊形美を楽しめるのが魅力です。
航過飛行が実施される条件
次のような場合、航過飛行が選択されます。
- 視程が8km未満
- 雲の高さ(シーリング)が3,000フィートを下回る
- 会場周辺の空域制限や安全上の都合
これらの条件でも飛行できるように設計されているため、飛行展示の「最後の希望」とも言える形式です。
特徴的なフォーメーションの種類
航過飛行で披露される10種類のフォーメーションは、どれも視覚的なインパクトがあります。
| フォーメーション名 | 特徴 |
|---|---|
| デルタ・ダーティ・ローパス | 脚を出したままの低空飛行 |
| リーダーズ・ベネフィット・ローパス | 1番機を中心とした均衡編隊 |
| ポイント・スター・ローパス | 星型を模した華やかな配置 |
| ツリー・ローパス | 「木の枝」のようなフォーメーション |
スモークは使用されないことが多いですが、飛行隊形の美しさがダイレクトに伝わるのが魅力です。
曲技飛行とは違う魅力とは?
「派手さ」がないからつまらない?そう思う方もいるかもしれません。
でも、航過飛行はブルーインパルスの精密な編隊飛行を静かに楽しめる貴重な機会。
特に写真撮影を楽しみたい方にはうってつけです。
落ち着いた雰囲気の中で、フォーメーションの意味や背景を知ると、また違った感動があります。
演目別の難易度や見どころをまとめて比較!

ここではブルーインパルスの演目を、難易度やおすすめ度で比較してみましょう。
どの課目がすごいのか、どれを見逃さないべきかが一目で分かります。
パイロットが語る「最も難しい課目」
元ブルーインパルスのパイロットたちが「特に難しい」と語っている技はこちらです。
| 演目 | 難易度 | 理由 |
|---|---|---|
| コーク・スクリュー | ★★★★★ | 背面飛行との完全な連携が必要 |
| ファン・ブレーク | ★★★★☆ | 1m以内の間隔での超精密飛行 |
| フォーシップ・インバート | ★★★★☆ | 4機で同時に背面飛行 |
これらは熟練した操縦技術がないと絶対にできない課目とされています。
初心者が感動しやすいおすすめの技
飛行展示に初めて行く方に特におすすめの演目はこちら。
- キューピッド: ハートに矢を射抜く演出が感動的
- サクラ: 6機で描く美しい桜の形
- ボントン・ロール: 全機が一斉に回転する迫力ある技
これらは見た目のインパクトが強く、飛行展示の「クライマックス」になることも多いです。
区分ごとの演目数と違いを表で確認
ブルーインパルスの演目は、天候による区分で内容が変わります。
| 区分 | 演目数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 第1・第2区分 | 27 | フルショー、ダイナミックな技が多い |
| 第3・第4区分 | 24 | 簡略化された内容、視界に配慮 |
| 編隊連携機動飛行 | 12 | 都市部やイベントでも実施可能 |
| 航過飛行 | 10 | フォーメーション重視、静かな展示 |
天候に応じて内容が変わる仕組みを知っておくと、当日も慌てずに楽しめます。
まとめ:ブルーインパルスの技を知れば展示飛行がもっと楽しくなる

ここまで、ブルーインパルスの技を「展示飛行の種類」や「天候による違い」、「演目の難易度別」などに分けて解説してきました。
最後に、これまでの内容をもう一度整理しながら、展示飛行をより楽しむためのポイントをお伝えします。
飛行展示の種類を知っておこう
ブルーインパルスの展示飛行は、以下の3種類に分かれます。
- 曲技飛行: 宙返りやハートの描写など派手な演技中心
- 編隊連携機動飛行: 水平移動やスモークアートによる美しい演技
- 航過飛行: フォーメーションを組んだ静かな通過飛行
これを知っておくことで、「今日どれが見られるかな?」というワクワク感がより増します。
当日の天候で内容が変わる理由
演目は天候によって「第1区分〜第4区分」に分けられ、シーリング(雲の高さ)と視程(見える距離)によって実施内容が変わります。
| 区分 | 実施条件 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1区分 | シーリング10,000ft以上 | 27演目フルショー |
| 第2区分 | 7,000ft以上 | ほぼ同じ内容で一部変更あり |
| 第3・第4区分 | 5,000ft〜3,000ft | 簡略化された演目に変更 |
| 航過飛行 | 3,000ft未満 | フォーメーションのみ |
当日どの区分になるかを知るだけでも、展示内容を予測できます。
おすすめの鑑賞方法と楽しみ方
ブルーインパルスを楽しむには、次のポイントも押さえておきましょう。
- 事前に演目を知っておく: どの技が来たか分かると感動が倍増
- 現地ではスピーカー解説を聞く: タイミングや背景を知るのに役立ちます
- 写真や動画に頼りすぎない: 生のスピードと音をしっかり目で追うことが大事
「どんな天候でも楽しめる知識」があれば、初めての展示飛行でも満足度がぐんと上がります。
